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英語好き、仏語もかじってます

2019年に知っておきたい新英単語/ New 14 Words for the New Year

新語は言語を学ぶなかで出会う楽しみのひとつ。

今回は2019年に知っておきたいSNSで活躍しそうな英語の新語(Neologisms)14語をピックアップしてご紹介します。(我ながら中途半端な数…。)
英語のLOL (笑) や動詞としての Google は今やすっかり日常語ですが、今も続々と新しい言葉が生まれています。
Merriam-Webster Dictionaryに2018年に加えられた単語Spectator Life の “20 New Words for the New Year” のリストから厳選しました。#1, 5, 6, 7, 14 の引用符内の英語定義は Meriam-Webster Online より引用しています。

www.merriam-webster.com

 

 

 

 

SNSで使えそうな語

  1. INSTAGRAM (v.) 
    “To post (a picture) to the Instagram photo-sharing service.”
    ついにインスタが動詞になりました。”Google”と同じく固有名詞から一般動詞への品詞転換です。
    例文:This meal looks so pretty. I should Instagram it.「すごくきれいな料理。インスタに載せちゃおう」

 

  1. PLANDID (n.)
    “A photograph posted on a social media site that is designed to look as though the subject was unaware it was being taken.”

    plannedcandidの混成語>
    そしてそのインスタグラムで見かけそうな plandid な写真とは、まるで被写体が撮影されていることを知らないかのような様子(candid)を演出した(planned)写真のことです。「ああいうのだな」とすぐにピンとくる見事なネーミングですね。

 

  1. SHOEFIE (n.)
    “A photo of one’s shoes, posted on a social media site.”

    shoeselfieの混成語>
    こちらもインスタグラムなど画像投稿サイトでよく見かけますね。

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    Photo by Nicholas Kampouris on Unsplash

 

  1. KITTENFISHING (n.)
    “The activity of exaggerating your positive qualities in an online profile.”

    kittencatfishing
    の混成語>

    皆さんはcatfishingという概念をご存知でしょうかCatfish(直訳:ネコ魚)とは普通ナマズのことを指しますが、「オンラインでアイデンティティを偽ること」を指す場合もあります。
    Kittenfish(直訳:子ネコ魚)catfishよりも程度の軽い、「オンラインで実際以上に自分をよく見せようとする」行為のことを言います。Kittenfishは出会い系サイトによく出没するのだとか。

  1. TL;DR (abbrev.)
    “Too long; didn't read—used to say that something would require too much time to read.”
    「長すぎるから読んでない」の頭文字。これは色んな場面で使えそうです。

 

  1. PREDICTIVE (adj.)
    “As in predictive text: ‘Of, relating to, or usable or valuable for prediction.’”
    予測変換のことですね。既存の語に新しい文脈で新しい定義が加わった例。

    “‘I love __.’
     Use your predictive text to fill the blank.”
    ↑のような予測変換を使った Predictive Text Game というものもあるようです。日本語でもありそう。

 

◆エンターテイメントや趣味の話題で使えそうな語

  1. BINGEABLE (adj.)
    “Having multiple episodes or parts that can be watched in rapid succession.”

    binge「好きなだけやる/飲む/食べる」+ -able「~できる、~に適する」>
    要するに「一気に多量に見るのに向いている」ような複数エピソードから成るTVドラマなどを形容して用います。
    例文:The Big Bang Theory is one of the most bingeable TV shows of all time.
    「ビッグバンセオリーは史上最も一気見に向いたドラマのひとつだ」

 

  1. UP LIT (n.)
    “A literary genre comprising books that make the reader feel optimistic.”

    up lit (literatureの短縮)の混成語>
    読んだ人がポジティブになれるような本のこと。最近の話題作からほんの一例をあげると
  • Gail Honeyman の Eleanor Oliphant Is Completely Fine(邦題『エレノア・オリファントは今日も元気です』)
  • Matt Haig の How to Stop Time (邦題『トム・ハザードの止まらない時間』)

    などがUP LITのあたるようです。メディアが UP LITに絞った特集を組むなど、ひとつのジャンルとして認識されています。

 

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Photo by Giulia Bertelli on Unsplash

 

◆ニュース、時事、仕事の話題で出会いそうな語

  1. GENERATION MUTE (n.)

    “A way of referring to the generation of young people who tend to use written forms of communication, such as texting, rather than making phone calls.”

    若い世代が電話よりもテキストメッセージなどの書き言葉でのコミュニケーションを好むのは、いまや世界共通のようです。

    そういえば、以前クリニックの受付のバイトをしたときに「あなた電話は出られる?」と聞かれて、黒電話を知る30代のわたしは面食らったことがあります。そのうちに電話応対はタッチタイピングなどと並ぶ技能として数えられるようになるのでしょうか。

 

  1. INFOBESITY (n.)

    “The state of having access to so much information that it leads to difficulties with decision-making, concentration, and understanding.”

    informationobesity(肥満)の混成語>
    情報過多による心的飽和。ネット社会の現代では身近な現象ですね。

 

  1. SWEATWORKING (n.)

    “Any activity that combines exercise with networking, such as going to the gym with business clients.”

    networking の net- と sweat の入れ替え>
    仕事上のネットワーク作りのために、ともに汗を流すタイプのレクリエーションをすること。健康志向の時勢を反映しているのでしょうか。

 

  1. HEPEATING (n.)
    “A situation when a man repeats a good idea expressed by a woman and acts as though it were his own.”

    repeat の re- と he の入れ替え>
    女性の自分が発言した時には誰も聞く耳を持たなかったのに、同じことを男性がまるで自らの考えであるかのように述べた途端に周囲が賛同した、という経験のある女性は多いのではないでしょうか。必ずしも男女でなくとも、盗まれた意見が立場の違いで全く違う反応を得ると言うことはよくありそうです。

 

 

◆おまけ(その他)

  1. MEGAMOON (n.)

    “A honeymoon on which the married couple’s friends are also invited.”

    megahoneymoonの混成語>
    友人を招いたハネムー…って、一般的なんですか?賑やかで楽しそう。

 

  1. GASLIGHT (v.)


    “To attempt to manipulate someone by continually presenting them with false information until they doubt their sanity.”

    イングリッド・バーグマン主演の1944年の映画『Gaslight/ガス燈』をご存知でしょうか。夫から「盗癖や物忘れの癖がある」と繰り返し言い聞かされた妻が、次第に自分の精神状態を疑うようになるというサイコスリラーです。
    Gaslightはこの映画のタイトルに由来する語で、被害者に誤った情報を与え続け、相手が困惑し自分の正気を疑うように追い込む心理的虐待を指します。日本語でも「ガスライティング」の片仮名語で認識されているようです。

    youtu.be

 

◆まとめ

いかがだったでしょうか。もうすでに知っている語が多かったという人もいらっしゃるかも知れませんね。オンライン文化に特有の新しい物事や概念を指す新語もあれば(shoefie, kittenfishing…)、昔からあった概念にようやく名前が付いたというものもあります(bingeable, hepeating…)。海外のお友達とのやり取りの中でさりげなく使えると、流行に理解のある人と一目置かれるかもしれません。


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TL;DR (abbrev.)
BINGEABLE (adj.)
PREDICTIVE (adj.)
INSTAGRAM (v.)
の4語は Mental Fross のこちらのページから

Michel Debczak (2018, September 5).

mentalfloss.com

 

その他の10語はこちらの Spectator Life の記事から拝借しました。
(この10語には辞書にない言葉も含まれます。)

Adam Jacob de Boinod (2019, January 7)

life.spectator.co.uk